
女は男と違った仕草をする。
その端的なのは化粧である。
シャワーのあと何事も無かったかのように顔を作る。
口紅をさし、眉墨や目を強調するために化粧を施す。
鏡に向かう女の表情は普段見せない顔である。
ひときわ目を大きく見開いたり、口を開いたり……………。
口紅をさすというのは一見淫美なイメージであるが、昔のような小指で紅をさすことはないので、口を大きく開いたり歪めたり、女が漏らす半喘ぎの表情も無いし、女の粘膜を感じさせることも無い。ましてや男性の逸物をくわえるような表情が生まれるわけもない。
その点、目をつくる仕草は、普段見せない色香と奇術に満ちている。
マスカラなどという奴は、聞くところによれば、なんでも繊維が入っていて長くも太くも曲率表現もできるという。
睫毛が長く、多くカールをなして施される。
このときの仕草は、意識が睫毛に集中し口が程よく開く。
このほうが最近は淫美を感じそのためにマスカラを買い与えたりする。
かくも女性は自分が美しくなることに夢中になり、その化身に男は沸き立つ。
さっきまで少女の表情で静かな吐息で寝ていた娘は女に化ける。
どちらもいい。
フィリピンに来て想うのは、まったく目立たない小麦の肌の少女が自分が関わることで、美しく妖艶な女になって行くことである。
「化粧しないままの方が良い」賛否両論ある。
判断や好みはゆだねるとして、ダイヤモンドでも原石を見て美しいと想う人はないだろう。アンヘレスで可愛い娘や奇麗な娘をさして「砂金をさがす」というが、以外と粘土に包まれた砂金。見落として砂とともに流してるのではないだろうか?

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