
ちょっと日本人老紳士に興味が引かれた。
「ローカルバーで飲みませんか?」ということで、いつものお気に入りのバーへご案内。
来ていたフィリピン中流どころの親父たちとすぐ打ち解け談笑の後ハイタッチを繰り返す。GROを拝借しては踊り弾んでいた。
会社の経営は委ね、いまは堪能な英語、スペイン語での会話を楽しみに、スペインとフィリピン、日本を行き来するのだという。
「つぎは僕の店に」
[ CASINO ESPANOL DE MANILA ] なる場所に案内してくれた。
「日本人でここの会員なのは私だけです」
「ここはフィリピン政財界の大物が良く来る。普通の人は絶対入れないからそのつもりで」
「ふふっ」このおっちゃんもおかしいやつだな?!

私の場合上流階級の紳士諸君とは縁がない。
従うべきは神で、人に臥すなとも教えられてきた。
おかげさまで階級に関係なく作法や社交の知識や機会を与えてくれたのは、かの紳士たちの妻や娘たちだ。
私は紳士諸君には実に失礼な野郎である。
はじめに言葉ありき。神がメッセージを言葉で表したことを真似をし、言葉で人を欺こうとする人あり。言葉や屋敷や装飾品で人を見ると見誤ることが多い。
気持ちのよい靴音のする回廊からみえる会堂を案内された後、バーへ
「SANTAさん 何を飲みますか? ここにはなんでもありますから………チーズなどもスペインから直接とってるんです」
「ボクはブランディー」
ここに焼酎などあるわけも無く、棚の上の眼についた緑のセクシーなストロワヤをロンググラスとクラッシュアイスで貰うことにした。
つまみにイベリコの生ハムや羊のマンチェゴを………無いと言われて落胆することも無い。ここはフィリピン、まぁ何でもいいか。
ドアの向こうから覗いていたフィリピーナが声をかけてきた。
「パパ〜いらっしゃい」
「こちらのフィリピーノは、お友達?」
パパ〜?…………………私の悪戯心が動きだした瞬間であった。

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